みらい対談

みらい対談  第2回 伊藤さん

本日は、私(茂木)の大学院入試講座で春から「経済学」を初めて学んで、秋に超難関の京都大学大学院へ合格を果たした伊藤さんへインタビューいたしました。

この驚異的な短期合格法には意外なメソッドが存在しております。

茂木:伊藤さんは、建築という他学部からの受験でしたが、経済学を数ヶ月でマスターし見事合格を果たしました。現在、経済学の勉強で悩む全国の受験生の方々にどのような戦略で短期合格が可能なのか、是非アドバイスをお願いいたします。


伊藤:
※過去問題を1ヶ月ぐらいかけて詳細に分析する。一つ一つの問題の解法は初期の時点では全く必要なく、それを解くために必要な参考書と合格・不合格を分けるラインを見極めること。それぞれの問題には合格者と不合格者を分けるポイントがあります。

※過去問の分析が終わって、参考書と過去問の傾向を理解したら、合格に必要なレベ到達まで中間目標を随時設定していく。参考書は2段階(入門1冊と応用1冊)ぐらいに分けてもいいかもしれません。

現在からテスト直前までの大まかなスケジュールをたてる。1.でレベルを随時設定していく中で、スケジュールに変更があれば、随時設定していく。以下そのスケジュール表を参照

※スケジュールはできるだけ守るようにする。あくまでできるだけです。それが目的となってノルマをこなすだけの勉強になっては全く意味がありません。それは勉強していないのと一緒です。常に自分が行っている勉強が本試験での「どの場面で」「どのような形で」出題され、それに対して「どのようにこの勉強を活かして」解答していくのかを意識して勉強しましょう。それができない場合は、本試験を熟知できていないか、本試験とは的外れな勉強をしていると思われます。

※1科目1冊に決めて後はその決めた問題集を繰り返しやるのが良いと思います。確実に解ける問題が着実に増えてくることで安心感が生まれました。曖昧だがまぁたぶん本番は解けるだろうという問題を五万と持つことよりも、絶対・確実に解ける問題を増やすことが重要と感じました。

※自分の習慣・癖を利用しましょう。ある行動をしてしまえばこうなってしまうというものがあるはずです。それがいわゆる自分との戦いというやつです。例えば、朝寝坊する⇒時間がもったいないので朝ごはんを抜く⇒腹が減ってて本調子が出ない⇒一日のノルマをこなせない⇒少し夜遅くまで勉強する⇒そして寝坊する。わかっちゃいるけどやめられないってやつですね、でも合格したかったらやめてください。そのやめ方ですが、朝寝坊する⇒勉強時間は減るが朝飯は絶対食べる、一日のノルマをこなせなったが明日寝坊するとまたずれこむので今日は寝る、といった感じでしょうか。

毎日完璧に勉強できるような聖人(?)なんていません、合格してる人の大半はまぁこんなもんでしょう。大切なのは一つ一つの出来事に落ち込まないことでしょうか。落ち込みながら勉強して身につくはずありません。そういう時は自分が得意な科目(私は武隈ミクロ)をやりまくる。


*これらはすべて私のあきっぽいが一度はまると止まらないという性格からくるものです。みなさんにもそれぞれ自分の性格・癖があるはずです。そしてなにより、そういった悪癖を出してしまう定型的で原因となるような行動を取ってしまっているはずです。そのとってしまった行動を次からはとらないようにすべきです。

※傷口は必ず洗って、消毒して、二度と傷口が開かないようにしておいて下さい。よく「唾をつけときゃ直る」みたいな人がいますが、まず合格できないでしょう。「なんで間違えたのか」「あの時どう思考すればよかったのか」「そして同様なシーンが再現されたなら自分は今度どう対処するのか」程度のことは考えて頭の中に整理しておく。

そうでないと、いざという時に使えません。こういった問題はまとめてファイリングしておき、試験直前期にぱっと見直せるようにしておけば直前期にあせることもありません。確かに一度間違えて、悔しい思いをした問題を見直し、自分の欠点を追求するのは嫌なものです、しかしそのままではかならず本試験で傷口が開きます。本試験では緊張しており、当たり前のことが当たり前ではなく精一杯のことになりがちです。基本問題・頻出問題に関しては目をつむっていても解けるようにしておいたほうが良いと思います。

※自分は合格できると信じてください。最終的には傲慢でかまいません、俺・私ならやれると思いこんじゃっていいです。みんなそんなもんです。みんなそんなもんだからこそ、一つ一つ落ち着いて取り組めばそれが差となって合格できるはずです。

みなさんはテニスをやったことがあるでしょうか?テニスはどっちが勝つかを考えるのは簡単です。ミスをしない人間です。テニスは初心者であればたいてい、泥試合です、お互いに自分への信頼を失い、お互いの間でミスの少ないほうが結局勝者になります。試験も同じではないでしょうか。

受験者の間で「やってきたことも同じ」「人間としての能力も同じ」、その中で抜きんでるのは「自分を信頼できたもの」と「ミスの少なかったもの」ではないでしょうか。受験勉強中も本番の試験中も落ち着いて自分を信じてやればなんとかなります。落ち着くことと自分を信じることは同じです。また、逆にあせることと自分を信じられないことは同じです。

※絶対にあきらめないこと。その上で、どこかあきらめていく大胆さと余裕を持つこと。「今はこの問題わからないから、少し放って置いて、問題集の見直しでもう一回解こう」。といった要領で。決してあせってはいけません。あせりながらの勉強は全く身につきません。

参考書について
l 最初に問題集を設定することを述べました。以下問題集をあげます。
入門 TACのミクロとマクロ(公務員Vテキスト)
応用 Micro:武隈(教科書+問題集)
      Macro:茂木さんの授業プリント+入門中谷
       *入門中谷は書式がエッセイ風なところがあり、無駄なところが多く、教科書としては非常に読みにくいのですが、内容は多くの部分を網羅しています。ですから、茂木さんの授業でまかなわれないところだけこの本で補充して、後は茂木さんの授業と答練を必死でやりましょう。
       Mankiw:マンキューは教科書として読みやすいです。セオリーとケーススタディが明確に分かれているので初学者にも親切です。ただし、分量が多く受験としては内容として不必要なところが多いかもしれません。


私はそれぞれ3回ずつ解きました。つまり、計6冊(武隈ミクロ教科書+問題集、入門中谷+問題集、TACのミクロとマクロ)を3回ですから、計18冊やったことになります。ただ3回もする必要はないです。2回ぐらいやってあとは答案練習のつもりでポイントを絞って試験前に集中的にやればいいと思います。

 

 


 

茂木:計算問題に悩む人がいますが、そういった受験生の方々へのアドバイスはありますか?


伊藤:
悩む必要はありません。どうしてもできない人は以下の公式集だけ暗記してください。(武隈ミクロ)から作りました。この公式集が暗記できたなら後は慣れです。数学が必要なのはミクロだけでしょう。ミクロは基本的なパターンが身につけば後は同じことを違う言葉と状況でやっているだけなので簡単に解けるようになります。

茂木:伊藤さんは、ほぼ独学で合格しましたが、伊藤さんの短期合格法にとって「予備校」の位置付けをお話願えませんか?


伊藤:私は基本的に予備校で自習室を毎日利用していただけなので特に「予備校」を意識したことありませんでしたが、独学との比較で考えますと、やはり安心感でしょうか。

まわりに同じ境遇の人がいたり、その人たちの勉強の進み具合をみて、自分はしっかりやっているほうかなと感じたり、友達と話をしたり、独学でしていたころと比べて毎日落ち着いて勉強に励むことができたと思います。さらに、社会人の方々もそうかと思われますが、私は他学部ということで、大学へ行くと自分は大学の友人と違うことをしていて、それでいて自分はこの勉強を誰に相談するでもなく、ただひたすらやっていかねばなりません。これは不安です、時々自分が何をしてるのかわからなくなります。

しかし、毎日、予備校で自分と同じ境遇の友人達とくだらない話をしたり、自分たちの将来について話したり、また一緒に勉強をすることは自分の今の位置を再確認できてほっとする感じがしました。自分の今の位置とは将来への投資なんだ、俺はこの5ヶ月に残りの人生50年分を投資している。1日4ヶ月の価値があるんだ、なんて思って、勉強への意欲を創出してました。


ただ毎日どんなにいやでも自習室には行きました。なぜなら、自習室に行くと勉強以外することがないからです。

茂木:合格するために必要な範囲を確認し、常に現在の自分の位置を学習面でも精神面でも把握することが大切ですね。

 

茂木:最後に、経済学の杜を閲覧している受験生の方々へ応援メッセージをお願いします。


伊藤:
人間というのは「なまけもの」です。何事も必要にせまられなければ身体・頭は動き出しません。それは勉強についても同じです。つまり、受験勉強とはその必要性(もしくは決意・意思・覚悟)をどのように生成・維持していくかということにつきます。

そういった気持ちの面が学習速度・自信といったものを決定していきます。あなどってはいけません、結局ここで勝負は決まります。かならず一発で合格する人、いつまでも合格できない人はいます。その違いがここです。受験は頭の良さではなくハートの堅さです。


 さらには、ノルマを設定すること、日々予備校である得点以上を取ることを目標にするとか、周りが必死だから自分も必死でやる、など、なんらかの形で必要性を生み出し、維持していくことが必要でしょう。


 「学問に王道なし」という言葉にあるように、地道な努力は必要ですが、「受験は王道に従え」受験には合格者の王道と不合格者の王道があります。そのラインをきっちりと理解し、「必要なこと以外はやらない」「矛盾のない勉強をする」この2つを徹底させるべきです。この2つは短期合格の鉄則です。


 人間やればできます。重要なのはそれはやるだけの価値があるかということであってその価値が見出せれば自分本来の力を出せるはずです。


 私も茂木さんには様々な形で大変お世話になりました。この場を借りて心からお礼を申し上げます。また、茂木さんというこの世に1人の偉大な教育者に出会えたみなさんは勝利を手にしたようなもので、より茂木さんを活用してください。何でもできますし、何でもしてくれます。(何でもしてくれますは言い過ぎかな?)


受験とは苦しいと思ってやればその通り苦しいものですが、少し気分を変えて取り組めば、必ず楽しい側面も見えてくるはずです。最後の最後まであきらめず自分を信じて頑張ってください。


 



 

 



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