圧縮記帳

 

 企業会計原則注解・注24に定めのある「圧縮記帳」の処理である。
国庫補助金を受け入れた場合、そのままでは受け入れたその期に全額課税対象額となってしまい、現金が税金として流出してしまう。


そのため補助金の意味が失われてしまいかねない。
そこで、税金を事実上、そのお金で購入した資産から生じる収益から分割払いさせるために、この圧縮記帳の処理が認められている。


<会計処理>
取得時(機械の取得原価300百万円、耐用年数20年、残存価額10%)
(借)機械 300        (貸)現金預金 300
国庫補助金150百万円を受入
(借)現金預金 150   (貸)国庫補助金受贈益 150

 このままでは補助全額が課税対象になってしまい資本が社外に流出する可能性がある。もし実効税率が40%であるとすれば、補助金のうち、60百万円が税金としての支払い義務が生じる。これでは何のための補助金かわからない。そこで、この矛盾を解消するために、次のような圧縮記帳を行う。

<会計処理>
圧縮記帳
(借)機械圧縮損150      (貸)機械 150

 このように処理すると、まず国庫補助金受贈益の150百万円と圧縮損150百万円が相殺されて、課税所得分がいったん消える。重要なことは、それと同時に機械の簿価が150百万円にまで圧縮されることである。

 例えば、簿価で定額法による減価償却を行ったとすると次のようになる。

<会計処理>
圧縮記帳後、定額法による減価償却
(借)減価償却費 6.75 (貸)減価償却累計額 6.75

圧縮記帳をせずに減価償却を行ったとすると、減価償却費は、

(300-30)÷20=13.5百万円

となるから、圧縮記帳を行った方が、正味、

13.5-6.75=6.75

 だけ毎期の費用が小さくなる。ということは、その分利益が大きくなるから、実効税率が同様に40%であるとすれば、その機械が収益を生み出す耐用年数にわたって5.4百万ずつ税金が多くなるが、しかし補助金の受入時に120百万円が課税されるよりは合理的である。これが税金の分割払い的な要素・効果を持つとされるゆえんである。


 このような、会計処理は取得原価主義の見地からすれば、不適当に思えるが
税法上の強い支持によって現行の企業会計原則では容認されている。