【問題1】


小問(2)について
 経済合理性に反する敷地分割を余儀なくされる場合、当然、これに照応する補償を受けなければならない。よって、成立する対価は、正常価格+αとなる。この場合の+α、すなわち正常価格からの乖離部分については、残地の間口、地積、形状等の個別的要因を精査し、近隣地域の標準的使用の達成の有無、最有効使用か阻害される場合は標準的使用との乖離の程度等に関し定量的に分析しなければならない。標準的使用の箇所については地域分析から書き下ろしていくこと。
小問(3)について
不動産鑑定士の行う土壌汚染に関する初期調査の方法は、現地調査、聴聞、公開資料調査などがあるが、いずれにしても実際に行った調査範囲を鑑定評価書に明確に記載し、その責任の所在を明らかにしなければならない。
 想定上の条件設定の当否については、実現性、合法性、関係当事者等の利益を害する虞れのないこと、という3要件を満たさなければならない。この点をしっかり触れてほしい。

 

 

【問題2】


小問(2)について
 採用資料とりわけDCF法適用過程における資料活用の根拠を明確に記載するとともに、最終還元利回り、割引率、収益費用の予測等に関する説明を詳細に記載する旨、解答に表すこと。なお、本年4月に改正された諸点は、今年度の試験範囲には入らない。この点につき、本論点は、改正点と密接に関連するが、本年度においても−現行基準の枠内で−重要な論点であると思われる。

 

 

【問題3】


小問(2)について
 採用資料の信頼度、対象不動産の実情、賃貸借契約内容、とりわけ賃料変動に関する予測の程度等について項目立てて整理して解答せよ。

 

 

【問題4】


小問(3)について
 建付増価の例としては、いわゆる既存不適格建築物(建物新築時には違法ではなかった、換言すれば、合法的な建物であったが、その後の法改正により、現時点では適用法令に適合していない建築物。したがって、現存建物と同規模の建物は再築できない)があげられる。(ほかには総合設計制度による土地価格評価等もあろう)。
 この場合、収益価格試算においては、当該建物の経済的残存耐用年数を適切に判定し、その間の期間収益に基づく純収益を把握するとともに、建物取壊以降は、現在の法令に即応した更地価格に基づく復帰価格を求めるものとすることになる。すなわち、直接還元法ではなく、DCF法ないしインウッド方式を適用することになる。また比準価格試算においては、既存不適格建築物の事例を収集するのが、当然、望ましいが、十分には事例が集まらない可能性が高い。その場合には、更地価格からの増価率を別途的確に把握しなければならない。以上の諸点を過不足なく答案に表すこと。